Sunday, January 23

つかまへて


つかまへてやらうとおもふなくるものもじぶんとおもつてただであふのみ

捕まへてやらうと思ふな来るものも自分と思つてただ出合ふのみ

『謎ときサリンジャー』を読んで。『ライ麦畑でつかまえて』のホールデンは、遊ぶ子どもたちが落ちないように捕まえてやろうと思った。それは落ちる自分を捕まえてほしいという気持ちの裏返しでもあった。捕まえる方と捕まえられる方という二分法自体が不本意な生き方であり、交換可能な両者が「出合う」ことこそが人の本意である、と解釈したがどうか。