Saturday, January 15

やまならしの


やまならしのはおとになみだするによにんじゆなんのみちゆくわれらにかはり

ヤマナラシの葉音に涙する女人受難の道行く我らに代はり

『オーバーストーリー』を読んで。巨樹を守ろうとする人々の受難の物語。そのうちの一人、植物学者パトリシア・ウェスターフォードは樹木同士が何らかの形でコミュニケーションを取っているという新説を発表して学会を追放される。各地を放浪する彼女はヤマナラシ(カロライナポプラ)の森で、クローンとなった森が生きる場所を求めて少しずつ移動している姿に感動する。しかし人間の開発が彼らの息の根を止める日はそう遠くない。10万年以上前から根茎を延ばしてきた偉大な生命体の終焉を思って彼女は涙する、全人類に代わって。