センダンの花見て江戸の寿貞尼のことなど話していたのだろうか三嶋大社。芭蕉の句碑があった。「どむみりと楝や雨の花曇り」。楝(おおち)はセンダンのこと。6月頃に白い花を咲かせる。三島にはたくさんあったようだ。
元禄7(1694)年5月13日、芭蕉は江戸から伊賀上野の帰郷の旅の途中に三島宿に泊まっているのでその途中の句らしい。三嶋大社で読んだ句かどうかは不明だが、東海道に面したこの名所を芭蕉がスルーするわけはないだろう。
芭蕉の妻はいないが内縁の妻と言われる寿貞尼のことだろう。その息子次郎兵衛を連れての旅だった。
ちなみに寿貞尼はこの後、6月2日に亡くなり、芭蕉本人も大阪で10月12日に亡くなっている。51歳。