Tuesday, August 31

らいおんも


らいおんもこごろしするとふぜがひでもおのがいでんしのこさんとして

ライオンも子殺しするとふ是が非でもおのが遺伝子残さんとして

動物で子殺しをするのは人間だけではないらしい。すべてオスが自分の遺伝子を残すための所業だとか。


おそろしきせあかこけぐもそのをすはかうびののちにみをあたふとぞ

恐ろしきセアカコケグモその雄は交尾の後に身を与ふとぞ

最近名前をよく聞くセアカゴケグモ。そのオスは遺伝子を残すために自分自身を差し出してメスの栄養となるとか。

Monday, August 30

とどろきの


とどろきのとあるやしろのふるぐすはねこぶのだいなりふぐりのごとく

等々力のとある社の古楠は根こぶも大なりふぐりのごとく

古いクスノキの根には大きな瘤ができることがある。病気だとも過剰発育だとも言われるがいずれにしてもユーモラスな形だ。


よひやみのせまるあしはらろくまんのつばめつどひくへいぜいきゆうしに

宵闇の迫る葦原六万のつばめ集ひ来平城宮址に

新聞で読んだ話。平城京跡には行ったことがあるが昼間だったので気づかなかった。何十年も調査しているボランティアの人たちがいるという。

Sunday, August 29

あすふあるとの


あすふあるとのひまうめつむるつめくさのそのははけもののつめのごとしと

アスファルトの隙うめ詰むるつめくさのその葉はけものの爪のごとしと

最近都会の雑草に人気があるのか何冊かその手の本を読んだ。ツメクサはてっきり隙間を詰める草と思っていた。

Saturday, August 28

せんなりの


せんなりのみたるるえごのきのみきにせみはりつきてはやなきいそぐ

千なりの実垂るるえごのきの幹に蝉はりつきてはや鳴き急ぐ

広場のエゴノキにたくさんの実が垂れて秋めいてきた。その幹で鳴いているアブラゼミは本懐を遂げたのだろうか?


まきつくるもののなければかるというふやぶからしやぶからさでいく

巻きつくるもののなければ枯るといふ藪からし藪枯らさで生く

ヤブカラシは繁殖力がすさまじく藪を枯らすほどだというが、実際はそうではないようだ。名は体を表さず。