Saturday, March 18

マボケの花


遠目には清楚な花に心せよ寄れば刺されるマボケの棘に


茂みの中に白地に薄いピンクの花が咲いていた。バラかと思って近づいてみると鋭い棘に刺された。キレイな花には棘がある。

マボケの花。バラ科。カリンのような果実ができるという。その頃にまた来てみたい(棘に用心して)。

Friday, March 17

『シンプルで合理的な人生設計』


探しても見つけられない青い鳥は心の中の物語に棲む


『シンプルで合理的な人生設計』(橘玲)を読んで。

例によって橘玲さんの文章は身も蓋もない。本書も多くの人にとっては「不都合な真実」かもしれない。

「幸福」を、金融資本、人的資本、社会資本の総体として定義したときに、その3つから隔絶して生きている人たちにとって本書は面白くも何ともない本となるだろう。

貯金や資産はない、いい仕事にもありつけない、恋人も友だちもいない、そんな人がこの本を読んでも絶望や怒りしか湧いてこないのでないか。

何かの「陰謀」で自分からそれらが奪われていると憎悪を膨らませるか(手製銃の暗殺者のように)、「親ガチャ」思考で親が悪いと諦めるしかないのでは…。

成功するための資質(知能や運動能力、あるいは性格なども)は、かなり遺伝で決まっているという。だから能力や才能のある人は一時の不遇があってもいずれは頭角を現して成功の道へ進む(途中で投げ出さない限り)。

つまり、親から資産や人的資本を譲り受けるか、遺伝的な「ギフト」をもらっていない多くの人間にとって成功への道は厳しいということになる。

幸せは、お金ではない、恋人や友だちに恵まれてなくても、一人ぼっちでも自分のしたいように生きるのが幸せです、という幸福論もあるだろうが、本書はそういった弥縫の考え方は取らない。

一昔前なら、俺には金融資本も人的資本もない(貯金なしで低賃金)が、大事な家族がある(社会資本がある)という幸福論もあったのだろうが、今は低収入だと結婚も難しい。

つまり、幸福な人は、その3つの資本すべてを手に入れて、不幸な人はすべてから遠ざけられている(というか、それが「幸福」と「不幸」の定義となっている)。

実態的には、金融資本→人的資本→社会資本というベクトルがあるように思う(親が裕福かどうかが大きな決め手)。

この、ある意味当たり前の現実の中で、私が本書から得た教訓?は、

よく眠る、散歩する、好きな仕事を死ぬまで続ける、親密な人間関係を維持する、投資するならインデックスファンド…

ぐらいだろうか…。シンプルではある。


シキミの花


ふと見ると人家の生垣にシキミ咲く気づかぬままに幾年月か


あちこちに花が咲き出している。ふらふらと花を見ながら近所を歩いていたら人家の生垣に白い花が咲いていた。

まさかと近寄って見るとシキミの花。

墓地などではよく見るのだが、ふつうの家の生垣になっているとは…。

その実は猛毒だというが、どうするのだろうか?

過去の写真だが、形がけっこう禍々しい。食べたら怖いぞ!と主張しているかのようだ。

Thursday, March 16

シデコブシの花


年ごとに紙垂とは聞こえず死出と聞くシデコブシの花まねくがごとく


シデコブシの花が満開。シデとは紙垂、つまりサカキの枝や串などに垂らす紙片や布のこと。

拝めば霊験あらたかかも…。

Wednesday, March 15

ソメイヨシノの花


こんな偶然あるかと思った昨春の出逢いは事無くまた桜咲く


3月末から4月の初めにかけては毎年様々の別れと出会いがある。

歳を取れば取るほどそれらは淡白となっていくのだが、それでも心が波立つときもある。

心が波立ってもすぐに波は凪いでしまってそれっきりというのが寂しい…。


Tuesday, March 14

ハナズオウのつぼみ


枝々につぼみ膨らむ花蘇芳おそらく一番美しき頃


いつの間にかハナズオウの豆果が消えて枝々につぼみが膨らんでいる。

あまり目立たない花だが、花が咲く前のつぼみたちは生命力が満ち溢れていて、美しいと思う。

この木が豆果だらけになるとまた秋になっている…。

Monday, March 13

サンシュユの花


またここに戻ってきたかとサンシュユの花咲く裏道ゆるりと向かう


2年前まで通っていた裏道。またその道を歩くことになりそうだ。

ひっそりと咲いていたサンシュユの花。何度も眺めながら歩いたことを思い出す。

〈おかえり〉と言ったかどうか…。

Friday, March 10

シモクレンの花


あられもないものの如くに木蓮の白き花弁の奥に蕊あり


木蓮の花。私が知っている木蓮(シモクレン)は花弁の内側がもっと紫だったような気がするのだが…。

中の花芯まで観察できることはあまりないので、近寄って覗いてみた。

いつもは隠れているものを見る行為はなんとなく疚しいのは、なぜだろうか?

六根清浄!

Wednesday, March 8

ハクモクレンの花


燦々と空から降り来る陽光に白木蓮咲く湧き立つ如く


ここ二日ほどの陽気のせいで、あちこちのハクモクレンが一斉に花を咲かせている。

花々の歓喜の様が見て取れる。聞こえない歌を歌い、見えない踊りを踊っているに違いない。

恩寵のような光…。