Saturday, April 23

「コーダ あいのうた」


音のない世界に生きる体験をするとき我もコーダを探す




アカデミー賞作品賞などに輝いた「コーダ あいのうた」を観た。

前評判に違わない素晴らしい作品だった。「コーダ」とは、"Children of Deaf Adults"の略語だということを初めて知った。

耳に障がいがある家族の「通訳」を務めていた高校生ルビーが音楽の才能と喜びに目覚め、家族のために生きるか自己実現の道を選ぶかという選択の間で葛藤するストーリー。

フランス映画のリメイク版だが、原作の家族の仕事が酪農だったのが、この作品では漁業に変わっている。原作は観ていないが、海のイメージがルビーの人生の荒々しさと優しさを象徴していてとてもよかったと思う。

これはネタバレになるが、映画の途中で観客は音のない世界がどんなものかを身につまされて感じることになる。

短い体験だが、もしこれが残りの人生すべてだったらどうだろうか?

あるいは、音ではなく光を失った世界ではどうだろうか。

その想像力が私たちにはもっと必要だと感じた。