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Saturday, April 23

「コーダ あいのうた」


音のない世界に生きる体験をするとき我もコーダを探す




アカデミー賞作品賞などに輝いた「コーダ あいのうた」を観た。

前評判に違わない素晴らしい作品だった。「コーダ」とは、"Children of Deaf Adults"の略語だということを初めて知った。

耳に障がいがある家族の「通訳」を務めていた高校生ルビーが音楽の才能と喜びに目覚め、家族のために生きるか自己実現の道を選ぶかという選択の間で葛藤するストーリー。

フランス映画のリメイク版だが、原作の家族の仕事が酪農だったのが、この作品では漁業に変わっている。原作は観ていないが、海のイメージがルビーの人生の荒々しさと優しさを象徴していてとてもよかったと思う。

これはネタバレになるが、映画の途中で観客は音のない世界がどんなものかを身につまされて感じることになる。

短い体験だが、もしこれが残りの人生すべてだったらどうだろうか?

あるいは、音ではなく光を失った世界ではどうだろうか。

その想像力が私たちにはもっと必要だと感じた。

Friday, November 5

きんでいの


きんでいのたけにぐさのはこのよならずりゆうしのえがくくさのみのせかい

金泥のタケニグサの葉この世ならず龍子の描く「草の実」の世界

『色で読み解く日本画』という本を読んだ。その中に川端龍子が描いた「草の実」があったが、金泥のタケニグサの葉がえも言われぬ凄さ。

Wednesday, October 13

とほめより


とほめよりみれどもことさらにもとめねばことしはくずのはなをみざりき

遠目より見れどもことさらに求めねば今年は葛の花を見ざりき

どこにでもあるクズの葉だが、その花は近寄らねば見つからない。見に行くほどではないと思ったのだろうか。


しよくぶつにふれぬせうせつたとへればせかいをかためでみるがごときか

植物に触れぬ小説たとへれば世界を片目で見るがごときか

小説を読むときに植物のことに触れていない作品はそれだけで不完全なものに思えてしまう。人間本位すぎる。