『砂嵐に星屑』(一穂ミチ著)を読んで。
大阪のローカルテレビ局で勤める4人の男女の物語。
「砂嵐」というのは、放送終了時のザーという電波状態であろうか。
一見華やかな業界だが、そこで仕事をこなしている人たちの物語は、ふつうの会社の人たちのそれとあまり変わらないのではないか。
それぞれが自分のポジションに不満や不安を抱きながら、日々の決断を繰り返していく。
4つの短編は有機的につながっているのだが、一番心に残ったのは、やはり最後の「眠れぬ夜のあなた」。
いつか素人芸人の並木広道の「眠れぬ夜」が終わる日の物語を読んでみたい。