Saturday, November 13

しべりあの


しべりあのくろいたいやうさいごにはちのけのかよふひのでにかへる

シベリアの黒い太陽さいごには血の気の通ふ日の出に還る

神奈川県立近代美術館の香月泰男展を観に行った。「シベリア・シリーズ」は2004年に東京で観たことがあるのだが、それは完全なものではなかったようだ。今回最晩年の作品まで含めて観ることができて彼のライフワークがより完成形に近づいていたことを知った。一言で言うと絵に血の気が戻ったように感じた。なぜかホッとした。


まちなかとちがひうみべのつはぶきははもたくましくををしくみえる

街なかと違ひ海辺のツワブキは葉も逞しく雄々しく見える

葉山の浜辺で。やはりツワブキは海岸の植物だ。海辺では見違えるほど葉も太く丈も高い。ツワブキは香月泰男が好んで描いた花だという。