Monday, November 29

いちめんの


いちめんのはなかたばみのはなのなかにもおちつかぬものありしきりにゆれる

一面のハナカタバミの花の中にも落ち着かぬものありしきりに揺れる

ハナカタバミの群生地、あるいは花壇。花がそれぞれいろんな向きに咲いている。ひとつだけ大きく揺れているものがあるが、地面だけに風の流れがあるのだろうか。


ひかうしはきよたいのなかからたましひをにがしてばらのもとへとかへす

飛行士は巨体の中から魂を逃してバラのもとへと還す

『最終飛行』を読む。あの「星の王子さま」の中の「バラ」はサン・テグジュペリの妻コンスエロのメタファーだったようだ。とすれば、作家の屈折した愛情と戦争がこの名作を作り上げたと言える。「星の王子さま」の世界は作家のイデアの世界だったのだろう。