Saturday, October 9

しきみのき


しきみのきみつけてそのみをさがしたればわづかにひとつはかげにありぬ

樒の木見つけてその実を探したればわづかに一つ葉かげにありぬ

近所の遊歩道。以前見知っていたシキミの木をまた見つけた。その禍々しい形の実は猛毒ということで、きっと管理者が取っていくのだろう。


いうほだうゆけばめとまるみのありてむかしのままになつめはたてり

遊歩道行けば目止まる実のありて昔のままに棗は立てり

ナツメの葉も実もツヤツヤしていて美しい。青い実にまじって茶色に熟した実もある。この道はかつての水道の跡。昔の家の人が植えたものだろうか。


さいあいのつまをなくししみつひではこころのやみもてらんなしたるか

最愛の妻を亡くしし光秀は心の闇もて乱なしたるか

誤解だらけの明智光秀』を読んで。光秀は妻の煕子(ひろこ)を亡くした6年後に本能寺の変を起こしている。伝説によると煕子は美人で有名だったが、光秀と結婚する前に疱瘡をわずらい顔に傷が残った。それで同じく美人の妹を勧めたが、光秀は顔で結婚するわけではないと煕子と結婚したという。後に光秀が病気になったときにその看病がもとで煕子は亡くなったとも。伝承にすぎないが、光秀は現代人に近い感性の持ち主だったのかもしれない。