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Sunday, June 12

オオバンソウ


風があるときには大揺れぶつかって音がしそうなオオバンソウの実


ゲリラ雷雨の後、散歩をしていて見つけた面白い草の実。オオバンソウという名は大判の草でまさに体を表すが、月と見立ててルナリアという名もある。

風雨のときは騒がしいそうだが・・。

Sunday, April 10

セイヨウタンポポ


タンポポの綿毛よ旅立つ時は来た 風待ちしたら飛び出してゆけ


初夏のような陽気の午後。草地を見るとタンポポの冠毛。綿毛たちは中央から順番に次第に飛び出しているようだ。がんばれと声をかけたくなる。

Sunday, February 27

白梅


道行く人幸せそうに見える午後風に吹かれる白梅を見る


砧公園の近く。久しぶりに「梅園」を見た。紅梅も白梅もいい感じに咲いている。早春の風で花も揺れている。気持ちのよい午後のはずなのに、心愉しめない。心の焦点が定まっていない感じがする。そんな日もある。

Friday, December 31

かなあみに


かなあみにまつばいくつもはさまつてかぜにふかれておほみそかです

金網に松葉いくつも挟まつて風に吹かれて大晦日です

いよいよ大晦日。寒いなか近くの本屋まで歩いていると金網にたくさんの松葉の又が挟まって風に吹かれている。なるほど金網が柵か。


しゆしじゆくすときまでちらずかれはたちかぜきてしゆしとさいごのたびへ

種子熟すときまで散らず枯葉たち風来て種子と最期の旅へ

『足元の小宇宙』を読む。著者の埴沙萠さんはすでに亡くなっているが、一生を植物研究に捧げた人物。ケヤキの枯葉はすぐに散らずに、種子が熟したときに枝から離れて、ひとかたまりになって羽の役割を果たして種子をできるだけ遠くに運ぶという。進化のしくみと言ってしまえばそれまでだが、我々の愛情ももとは単純な「しくみ」かもしれない。

Sunday, December 12

さるすべり


さるすべりはだかのえだのしゆしたちはかぜまちとりまちふたまたかける

サルスベリ裸の枝の種子たちは風待ち鳥待ち二股かける

サルスベリの街路樹。すっかり葉を落とし種子がたくさん残っている木もあれば、ほとんど残っていない木もある。種子の翼を使って風に乗って飛ぶか、鳥に食われるのを待つか、それぞれの木の戦略があるのかな。


まどのそとまろにえのはなさいてちりしげりのはもおちあんねはのぞむ

窓の外マロニエの花咲いて散り繁りの葉も落ちアンネは望む

『アンネの木』という絵本を読んだ。アンネ・フランクが1942年7月から1944年8月まで暮らしたアムステルダムの隠れ家の裏庭には一本の木があった。アンネは窓からその木を毎日のように見ていたという。その木が何の木なのか知りたくてこの本を読んだのだが、マロニエ(セイヨウトチノキ)だった。その木は老朽化して倒れてしまいすでにそこにはない。しかし、その苗木は世界の各地に移植されていて日本にも来ているそうだ。四季ごとに変化するマロニエを見ながら、アンネはいつか外界に出られる日を夢見たにちがいない。マロニエとよく似たトチノキを見ながら、いつか「日記」を読み直してみたい。

Monday, November 29

いちめんの


いちめんのはなかたばみのはなのなかにもおちつかぬものありしきりにゆれる

一面のハナカタバミの花の中にも落ち着かぬものありしきりに揺れる

ハナカタバミの群生地、あるいは花壇。花がそれぞれいろんな向きに咲いている。ひとつだけ大きく揺れているものがあるが、地面だけに風の流れがあるのだろうか。


ひかうしはきよたいのなかからたましひをにがしてばらのもとへとかへす

飛行士は巨体の中から魂を逃してバラのもとへと還す

『最終飛行』を読む。あの「星の王子さま」の中の「バラ」はサン・テグジュペリの妻コンスエロのメタファーだったようだ。とすれば、作家の屈折した愛情と戦争がこの名作を作り上げたと言える。「星の王子さま」の世界は作家のイデアの世界だったのだろう。

Thursday, November 11

かぜつよく


かぜつよくやまなみしかとみゆるごごこぞのいまごろふじみたりしか

風強く山並みしかと見ゆる午後去年の今ごろ富士見たりしか

空気が乾燥して山並みがはっきりと見えるようになってきた。去年の勤め先は富士山がよく見える立地だったが、今ごろはもう見ていたのだろうか。

Wednesday, November 10

むれをなす


むれをなすきんゑのころはかぜふくとによろによろみたいにそのみをゆする

群をなすキンエノコロは風吹くとニョロニョロみたいにその身を揺する

空地に群がって咲いているキンエノコロの花穂。強い風が吹くと西日の中でムーミンに出てくるニョロニョロみたいに揺れ動いている。

Saturday, October 30

ぬるでのは


ぬるでのはむしこぶだらけでそのなかにぬるではいぼけふしたちがすむ

ヌルデの葉虫こぶだらけでその中にヌルデハイボケフシたちが住む

草木散歩。ヌルデの葉一面に虫こぶができて哀れな様子。ヌルデハイボケフシ(白膠木葉疣毛節)という名のダニたちが住んでいるという。


そびえたつやまならしのきそのもとでこずゑをみあげてかぜまつをとこ

そびえ立つヤマナラシの木そのもとで梢を見上げて風待つ男

かつての横浜水道、その切り通しの土手にヤマナラシの木が立っている。葉の鳴る音を聞くために風を待つ男がいる。

Saturday, October 23

ゆふかぜに


ゆふかぜにさわさわはのなるこならかなくぬぎみづきははのゆるるのみ

夕風にさわさわ葉の鳴る小楢かな櫟水木は葉の揺るるのみ

近所の雑木林の木はコナラとクヌギがほとんどで足元にはたくさんのドングリが落ちている。葉が密集しているコナラの葉音がやはり大きい。


ほとんどのはをおとしたるえごのきはいまだにみどりのみをたらしたり

ほとんどの葉を落としたるえごの木はいまだに緑の実を垂らしたり

雑木林の木の落葉のスピードはそれぞれ。エゴノキが一番早く葉を落としているが、まだたくさんの緑の実を枝に残している。鳥は食べない?

Friday, October 1

かぜつよく


かぜつよくふきくるよひやみまちくらくやつでのはなはおもげにゆるる

風強く吹きくる宵闇町暗く八手の花は重げに揺るる

台風が関東に接近して大雨となった。夕方雨が止んで外に出ると、風はまだ強く人家のヤツデの花が大きく揺れていた。

Monday, September 20

かぜふけば


かぜふけばづじやうにさやぐぽぷらのははげしくみだれてひとはもおちず

風吹けば頭上にさやぐポプラの葉激しく乱れて一葉も落ちず

近所の公園のポプラの木。まだ暖かさの残る風がその葉を激しく揺らしている。このにぎやかな葉音にも進化生物学的な意味があるのか。


ゆふぐれをかへればすずめのなくをきくおやどははななききんもくせいか

夕暮を帰れば雀の鳴くを聞くお宿は花なき金木犀か

雀の鳴き声がキンモクセイの木の中から聞こえてくる。たぶんそこが雀のお宿なのだろう。下に行くと落花が芥のように落ちていた。

Saturday, September 18

みなみより


みなみよりかぜふきたちてのわきめくゆるるくさきにはやはぎのはな

南より風吹たちて野分めく揺るる草木にはや萩の花

台風の影響で南から雨風が吹いてくる。河岸段丘の縁にあるせせらぎ公園。もう萩の花が咲いていますねと言われて気づいた。


このあめにはなはちりなんきんもくせいますくはづしてそのかをすへり

この雨に花は散りなん金木犀マスク外してその香を吸へり

今夜ずっと降り続く雨。早くも咲いたキンモクセイの花も散ってしまうだろう。強い香りは苦手だが・・。

Saturday, September 11

くさむらの


くさむらのしげりみたればまどわくにこつねんとゐるおほかまきりは

草むらの茂り見たれば窓枠に忽然とゐる大カマキリは

自分が動いていると止まっている虫を見つけるのは難しい。止まって初めて虫たちの世界が見えてくる。私が虫だったらカマキリの餌食だった。


しよくかくをかぜになびかせかまきりはびどうだにせずくわしんをみたり

触覚を風になびかせカマキリは微動だにせず花芯を見たり

カマキリはまるで止まった器械のように動かない。花を訪れる獲物を狙って戦闘モードに入っているのだろう。