Friday, December 10

がいとうの


がいとうのもとのすきまはざつさうのしまとしつてかすいせんしめる

街灯の元のスキマは雑草のシマと知つてかスイセン占める

街灯の元はいろいろな雑草がスキマを占めている。ところが、そこをスイセンの茎たちが占拠していた。だれかが球根を植えたのだろうか。


たうひんをかはになげこむせうねんもやがておとなのあくいにそまる

盗品を川に投げ込む少年もやがて大人の悪意に染まる

『雲をつかむ話』を読む。読み終えた後、頭がムズムズする感じ。興味深いキャラクターの中で一番印象に残ったのは、大人の傷つきそうなことを瞬時に見抜いて口にする少年だ。上品な顔立ちをしているくせに大人たちに平気で下品な口をきく少年。どんなことを言ってるかを知りたい人は本を読んでほしいが、ある種の畏敬の念を抱くのは私だけ?この少年の話をもっと読みたかった。他人の郵便受けから物を盗んではエルベ川に投げ込む少年(と父親)も気になった。それ以外の登場人物たちも見果てぬ夢のように気になる話だった。