Saturday, February 19

『独ソ戦』


戦争の顔はおそらく女でも男でもない顔のない顔


『独ソ戦』(大木毅著)を読んで。

戦争について書かれた本を読むとしばらく何とも言えない感情にとらわれる。それは怖れかもしれないし、怒りかもしれない。

この本は、独ソ戦がスラヴ人の絶滅を目指す「絶滅戦争」であったと説く。80年前の人たちがそんな「野蛮」を信じていたことに愕然とするが、今当たり前のように語られる「多様性」の議論もつい最近の潮流だと気づかされる。

戦争も恐ろしいが、それよりもその根っこにある思想が怖い。人間の恐ろしさは「正義」の恐ろしさ。