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Friday, March 10

シモクレンの花


あられもないものの如くに木蓮の白き花弁の奥に蕊あり


木蓮の花。私が知っている木蓮(シモクレン)は花弁の内側がもっと紫だったような気がするのだが…。

中の花芯まで観察できることはあまりないので、近寄って覗いてみた。

いつもは隠れているものを見る行為はなんとなく疚しいのは、なぜだろうか?

六根清浄!

Tuesday, February 21

『黒百合』


少年の少女に挿頭せし白百合は見えぬが故に今なほ白し


『黒百合』(多重斗志之)を読んで。

ミステリー文芸というべき作品。

14歳の3人の少年少女(一彦、進、香)が避暑地六甲山で過ごしたひと夏の体験が中心的なストーリー。

それに彼らの親たちの物語が重なって最後にひとつのミステリーに収斂していくという展開。

ストーリーは割愛するが、ミステリーとして見たときに、最後の種明かしで明らかになった相田真千子と倉沢日登美の関係など、ツジツマ合わせ的な不自然さが残る。

2人はお互いを認識しているはずだが過去は精算して何事もなく暮らしているのだろうか?

また真千子の「性癖」や行動様式は戦後激変したのであろうか?

いずれもなんらかの説明がほしいところ(ヒントのようなものを私が見落としているだけかもしれないが)。

それ以外にも貴代司の脅迫と殺人などちょっとご都合主義的すぎるのではないか。それならば「おばさん」の仮面をかぶった真千子の凄みにも触れるべきでは?

むしろ最後の殺人はなしにして真千子のキャラ変と見える変化の「真相」を最後に謎解きするような展開もあったのでは?

浅木と真千子に「君の名は」のような波乱万丈があったと匂わせるという終わり方もあったのでは?

いろいろと難癖をつけているようで恐縮だが、読者が書かれていない物語を空想してはどうかということかもしれない。

いずれにしても余韻の残るすぐれた作品であることは確か。

今更ながらだが、著者の失踪は残念でならない。

Tuesday, June 21

スペアミント


香りから白い花穂見て納得するスペアミントは予備ではないと


いつのも緑道。ハーブの香りがするので近寄るとスペアミントの花。

その花を見てスペアが槍だと気づいた。

Friday, June 10

オカトラノオ


植込みに誰が植えたか白い尾のオカトラノオの花穂しみじみと見る



山地でよく見るオカトラノオ。緑道の植込みから花穂を出していた。きっと愛好家が植えたのであろう。きれいな小花たち。



上の方から花が開いていくようだ。花はこれからでしばらく楽しめそう。



Saturday, May 14

イチゴ


草茂る玄関先に白い花 忘れましたかイチゴの実のこと


いつもの通り道。雑草天国となっているとある玄関先。ふと見ると白い花と赤い実。おそらく普通の栽培用のイチゴではないだろうか。

これを植えた人は、もう家にはいないのだろう。

Friday, February 4

白梅


荒れ庭に残されていた一本の木に白いもの白梅らしい

荒れ庭の前を自転車で通ったときに枯れ木に白いものがちらっと見えた。通り過ぎて、ああ白梅だったのだと気づいた。愛でる人のいない梅の花。

Friday, November 26

うつくしき


うつくしきものはとまらずすすきはらにしびのなかでしろくかがよふ

美しきものは止まらず芒原西日の中で白く燿ふ

京王線で多摩川の鉄橋を渡るとき、ちょうど西日で河原のススキ原がえも言われず美しく輝いていた。一瞬の光景であるが美とはそういったものかもしれない。

Thursday, November 25

やまなみの


やまなみのむかうにしろいあたまだすふじさんよろしくおねがひします

山並みの向かうに白い頭出す富士さんよろしくお願ひします

八王子。気になっていた山並みの向こうの山はやはり富士山だった。冠雪した頭が少しだけ山際から出ているのでわかった。富士山を見つけると見守られている気分になる。まるで天然の社。

Sunday, November 21

そのあかは


そのあかはうちみのやうないろだけどさるすべりだつてもみぢするのだ

その赤は打ち身のやうな色だけどサルスベリだつて紅葉するのだ

夏から秋にかけて花をつけていたサルスベリも落葉の時期となった。見ると紅葉している葉もあるが、その色はどす赤い。アントシアニンが足りないのかもしれないが、紅葉は木全体を守る仕組みだ。人間の審美眼など知ったこっちゃない。


ふとみるとくろがねもちのしろいみきにともだちまーくのやうなめがある

ふと見るとクロガネモチの白い幹に「ともだちマーク」のやうな目がある

赤い実をつけているクロガネモチ。その白っぽい幹にはひっかき傷のようなラインが目につく。なかにはあの二十世紀少年の「ともだちマーク」の不気味な目のようなものがあって、見ていると「ともだち」にされそう。

Sunday, October 24

しろきみきを


しろきみきをいちもくさんにかけくだるありよなんのいちだじなるか

白き幹を一目散に駆け下る蟻よ何の一大事なるか

用賀あたり。イロハモミジの幹を一匹のアリが大急ぎで駆け下りていく。生き急ぐのは人だけではないようだ。


みちのわきでくさきをながむるひとときはひとよりむしにちかききぶんか

道の脇で草木をながむる一時は人より虫に近き気分か

最近はよく道の脇で植物を見ている時間が増えた。というよりここ数年はまったく植物を見ていなかったのだが、ある種のサイクルか。