Tuesday, December 7

かせつろの


かせつろのびにーるのなかぬくぬくとめらんぽじうむまだあきのはな

仮設路のビニールの中ぬくぬくとメランポジウムまだ秋の花

下北沢駅前の仮設路。遮蔽ビニールの囲い中の気になっていた黄色い花。調べてみるとメランポジウムという園芸種らしい。花期は10月までだが、まだ花が残っていたのは温室効果のためか。幸運な奴よのう。


つひやしたじかんのぶんだけはなれがたいきつねよそれがみえないくさり

費やした時間の分だけ離れがたいキツネよそれが見えない鎖

バンド・デシネ版の『星の王子さま』を読んだ。その中でキツネが星の王子さまに自分を飼い慣らしてほしいと頼む場面がある。世話をした時間が長ければ長いほど、その困難が大きければ大きいほど離れがたくなる。人間でも動物でも同じことだろうが、人間はその感情に「愛」という名前をつけた。BD版の絵はシュールな感じで日本人好みのメルヘンチックな世界ではなかったが、生の感情(たとえば泣くシーンとか)のインパクトが強烈。

Monday, December 6

あきちには


あきちにはゑのころはらもくさもなくすでにみえないたてものがある

空地にはエノコロ原も草もなくすでに見えない建物がある

烏山あたり。久しぶりにエノコログサが繁茂する空地に行って見るとエノコログサも他の草もすっかり刈り取られていた。しかもその敷地のとなりにあったアオギリの姿もない。その大きな葉が空地にはみ出ていたからだろうか。その空地にはすでに何かの建築物がうっすらと存在し始めているように見えた。

Sunday, December 5

かれえだに


かれえだにからすうりのみぶらさがるくさつたあとこそしようぶのときと

枯れ枝にカラスウリの実ぶら下がる腐つた後こそ勝負の時と

用賀あたり。クワの枯れ枝に絡みついているカラスウリの実。それぞれ色づいているが鳥が食べる気色はない。その実が腐って中の種子が出てきたときに、その形がカマキリの頭に似ているので鳥が食べるのだという。なんともまわりくどい種子散布法だが、それが理にかなっているのだろう。

Saturday, December 4

こはるびを


こはるびをせなかにうけてぐちをきくわたしはそつとふぢだなをみる

小春日を背中に受けて愚痴を聞く私はそつと藤棚を見る

兵庫島のベンチで。同じ立場であればその愚痴に私も心が動いたであろう。愚痴は悪口ではないが、やはりどこかでそれは止めなければならない、無限のループに陥る前に。枯れかかった藤棚をそっと見上げた。


うまれてもひたすらたへてしゆしのこすそれもいつしやうなづなのやうに

生まれてもひたすら耐へて種子残すそれも一生ナズナのやうに

『したたかな植物たち』を読む。ナズナは、秋冬はロゼットで地面に張り付いて寒風に耐え、春になると大急ぎで茎を天に伸ばし花を咲かせ種子を残してあっという間に消えていく。短い波乱の一生だという。(個体によっては秋まで花をつけているノンビリ屋さんもいるらしいが・・)

Friday, December 3

おちばはき


おちばはきなれぬさぎやうをてつだふとゆびにまめできつぶれてをはる

落葉掃き慣れぬ作業を手伝ふと指にマメでき潰れて終る

簡単にできると思った落ち葉掃きだが、使い慣れない竹箒の取り扱いに手こずる。よけいな力が入るからか、あるいは指がやわになっているのか早速マメができてすぐにつぶれてしまった。やれやれ。

Thursday, December 2

ひよどりは


ひよどりはけんくわがだいすきけふもまたはだかのいちやうでなはばりあらそひ

ヒヨドリは喧嘩が大好き今日もまた裸のいちやうで縄張り争ひ

ヒヨドリはあの甲高い声でよくケンカをしている。裸のイチョウの木で二羽のヒヨドリが必死で縄張り争いしているが、その場所を死守する価値があるのだろうか。闘争のための闘争?

Wednesday, December 1

いらつしやいと


いらつしやいとうきつりぼくはかきねからとびでてあかいちやうちんつるす

いらつしやいとウキツリボクは垣根から飛び出て赤い提灯吊るす

垣根のドウダンツツジが紅葉している。その上にウキツリボクが飛び出して大きな葉のもとから赤い提灯のような花をぶら下げている。何だか呼ばれているみたいな。


らくらいとわからずめがさめあたふたとそとみるまさかきよじんのてんたう?

落雷と分からず目が覚めあたふたと外見るまさか巨人の転倒?

昨夜は激しい雷雨。最初、落雷の音が何の音か分からなかった。何か強大なものが落ちてきたように聞こえた。巨人も高齢になると転倒リスクもハンパじゃないよなあなどと思いながらまたベッドへ。