Tuesday, January 4

ぱんくずを


ぱんくずをはとにまいてたこどもらのずじやうをかもめととんびがおほふ

パンくずをハトに撒いてた子どもらの頭上をカモメとトンビが覆ふ

山下公園での光景。子どもたちの頭上にカモメの群れとトンビ数羽が海風に逆らってとどまっている。子どもが撒いているパンくずを狙って集まってきたようだ。カモメはともかく、トンビをこんなに目前で見るのは初めてのこと。人が集まってきてしばらく天然の見世物となった。


みきとけてまはりのてつわくのみこんでゐるぷらたなすいまうごきさう

幹溶けて周りの鉄枠飲み込んでゐるプラタナス今動きさう

中華街のあたり。ビルの前のプラタナスの木。鉄枠が狭すぎるのか、まるで幹が溶け出して鉄枠を飲み込んでいるような木があった。斑模様の樹皮もあって、何だか今にも動き出しそうな気配。

Monday, January 3

ばずーかの


ばずーかのさきはかはべのかれすすきみつけてこゑでるかわせみのいろ

バズーカの先は川辺の枯すすき見つけて声出るカワセミの色

川べり散歩。バズーカカメラを向けている人がいた。まさかとその方向を見ると、枯れすすきの中に青緑色のカワセミがいるではないか。しばらくしてカワセミは水に飛び込んで魚を捕まえた。カワセミの餌場らしい。新春からいいものを見た。パンパン(参拝)👏

Sunday, January 2

イイギリの実


鈴なりの赤い実見事なイイギリに昔は気づかず走れた頃は

昔ランニングのコースだった道を歩く。自然公園の中の道だが今日歩いていて赤い実をつけたイイギリを見つけた。走っていた頃は、それはただの木にしか見えなかったのだろう。走れなくなって気づく風景。

Saturday, January 1

初富士


丹沢の山並みくつきり後ろからちよつと頭が見えて初富士

元旦。駅舎が新しくなった駅。ギャラリーから丹沢の山並みがくっきりと見える。夕日に照らされて富士山の頭が少しだけ見える。初富士。

Friday, December 31

かなあみに


かなあみにまつばいくつもはさまつてかぜにふかれておほみそかです

金網に松葉いくつも挟まつて風に吹かれて大晦日です

いよいよ大晦日。寒いなか近くの本屋まで歩いていると金網にたくさんの松葉の又が挟まって風に吹かれている。なるほど金網が柵か。


しゆしじゆくすときまでちらずかれはたちかぜきてしゆしとさいごのたびへ

種子熟すときまで散らず枯葉たち風来て種子と最期の旅へ

『足元の小宇宙』を読む。著者の埴沙萠さんはすでに亡くなっているが、一生を植物研究に捧げた人物。ケヤキの枯葉はすぐに散らずに、種子が熟したときに枝から離れて、ひとかたまりになって羽の役割を果たして種子をできるだけ遠くに運ぶという。進化のしくみと言ってしまえばそれまでだが、我々の愛情ももとは単純な「しくみ」かもしれない。

Thursday, December 30

はやばやと


はやばやとらくえうすませてむくむくとはくもくれんはふゆめをおこす

早々と落葉済ませてむくむくとハクモクレンは冬芽を勃こす

近所の散歩道。まだ葉を残している木もあるが、ひとり冬芽を張らせているハクモクレン。何やら春に向けての意気込みが漲っている。

Wednesday, December 29

はかまゐり


はかまゐりうつはのかたちのこほりたちみづばでつどふたましゐみたいに

墓参り器の形の氷たち水場で集ふ魂みたいに

今日は家族で墓参り。墓前の湯呑の中が凍っていた。氷を捨てに行くと水場にいくつもの氷が散在。なんだか氷の社交場のように見えた。器の形の氷は、やがて水という無形にもどる。私たちの心も肉体という器で作られた氷のようなものかもしれない。