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Friday, December 31

かなあみに


かなあみにまつばいくつもはさまつてかぜにふかれておほみそかです

金網に松葉いくつも挟まつて風に吹かれて大晦日です

いよいよ大晦日。寒いなか近くの本屋まで歩いていると金網にたくさんの松葉の又が挟まって風に吹かれている。なるほど金網が柵か。


しゆしじゆくすときまでちらずかれはたちかぜきてしゆしとさいごのたびへ

種子熟すときまで散らず枯葉たち風来て種子と最期の旅へ

『足元の小宇宙』を読む。著者の埴沙萠さんはすでに亡くなっているが、一生を植物研究に捧げた人物。ケヤキの枯葉はすぐに散らずに、種子が熟したときに枝から離れて、ひとかたまりになって羽の役割を果たして種子をできるだけ遠くに運ぶという。進化のしくみと言ってしまえばそれまでだが、我々の愛情ももとは単純な「しくみ」かもしれない。

Wednesday, November 10

むれをなす


むれをなすきんゑのころはかぜふくとによろによろみたいにそのみをゆする

群をなすキンエノコロは風吹くとニョロニョロみたいにその身を揺する

空地に群がって咲いているキンエノコロの花穂。強い風が吹くと西日の中でムーミンに出てくるニョロニョロみたいに揺れ動いている。

Saturday, October 30

ぬるでのは


ぬるでのはむしこぶだらけでそのなかにぬるではいぼけふしたちがすむ

ヌルデの葉虫こぶだらけでその中にヌルデハイボケフシたちが住む

草木散歩。ヌルデの葉一面に虫こぶができて哀れな様子。ヌルデハイボケフシ(白膠木葉疣毛節)という名のダニたちが住んでいるという。


そびえたつやまならしのきそのもとでこずゑをみあげてかぜまつをとこ

そびえ立つヤマナラシの木そのもとで梢を見上げて風待つ男

かつての横浜水道、その切り通しの土手にヤマナラシの木が立っている。葉の鳴る音を聞くために風を待つ男がいる。

Sunday, October 3

たまがはを


たまがはをみおろすほーむにもんきてふふきあげられてあらがひとべり

多摩川を見下ろすホームに紋黄蝶吹き上げられて抗ひ飛べり

二子玉川駅のホームから下の兵庫島公園がよく見える。暖かい風に吹き上げられたのか、モンキチョウが目前に現れて流されていった。


いへのあとのぐわれきのやまにところせくたつやうしゆやまごばう

家の跡の瓦礫の山に所狭く立つ洋種やまごばう

用賀あたり。取り壊された人家の跡地をヨウシュヤマゴボウが大きな顔、ではなく葉をして占有していた。よほど成長が早いのか。

Friday, October 1

かぜつよく


かぜつよくふきくるよひやみまちくらくやつでのはなはおもげにゆるる

風強く吹きくる宵闇町暗く八手の花は重げに揺るる

台風が関東に接近して大雨となった。夕方雨が止んで外に出ると、風はまだ強く人家のヤツデの花が大きく揺れていた。

Saturday, September 18

みなみより


みなみよりかぜふきたちてのわきめくゆるるくさきにはやはぎのはな

南より風吹たちて野分めく揺るる草木にはや萩の花

台風の影響で南から雨風が吹いてくる。河岸段丘の縁にあるせせらぎ公園。もう萩の花が咲いていますねと言われて気づいた。


このあめにはなはちりなんきんもくせいますくはづしてそのかをすへり

この雨に花は散りなん金木犀マスク外してその香を吸へり

今夜ずっと降り続く雨。早くも咲いたキンモクセイの花も散ってしまうだろう。強い香りは苦手だが・・。