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Sunday, December 12

さるすべり


さるすべりはだかのえだのしゆしたちはかぜまちとりまちふたまたかける

サルスベリ裸の枝の種子たちは風待ち鳥待ち二股かける

サルスベリの街路樹。すっかり葉を落とし種子がたくさん残っている木もあれば、ほとんど残っていない木もある。種子の翼を使って風に乗って飛ぶか、鳥に食われるのを待つか、それぞれの木の戦略があるのかな。


まどのそとまろにえのはなさいてちりしげりのはもおちあんねはのぞむ

窓の外マロニエの花咲いて散り繁りの葉も落ちアンネは望む

『アンネの木』という絵本を読んだ。アンネ・フランクが1942年7月から1944年8月まで暮らしたアムステルダムの隠れ家の裏庭には一本の木があった。アンネは窓からその木を毎日のように見ていたという。その木が何の木なのか知りたくてこの本を読んだのだが、マロニエ(セイヨウトチノキ)だった。その木は老朽化して倒れてしまいすでにそこにはない。しかし、その苗木は世界の各地に移植されていて日本にも来ているそうだ。四季ごとに変化するマロニエを見ながら、アンネはいつか外界に出られる日を夢見たにちがいない。マロニエとよく似たトチノキを見ながら、いつか「日記」を読み直してみたい。

Friday, October 22

ながれゆく


ながれゆくしやさうのけしきはつとみるきくいものはなむれてさきたり

流れゆく車窓の景色はつと見る菊芋の花群れて咲きたり

仕事で移動中の電車の中。ぼんやりと車窓の外の風景を見ているとさっと黄色い花たちが見えた。どうやらキクイモの花らしい。


てつけうをわたればかはらのくさむらのいろあひすでにこげはじめたり

鉄橋を渡れば河原の草むらの色合ひすでに焦げ始めたり

京王線で多摩川を渡る。分倍河原あたりの河原が河原らしい風情。ススキやセイタカアワダチソウ以外はやはり枯れ色に近くなってきた。

Thursday, October 21

ふえいじよあの


ふえいじよあのみらしきものをきのしたにみつけてそのきをまじまじとみる

フェイジョアの実らしきものを木の下に見つけてその木をまじまじと見る

仕事で毎週行く町。道ばたの草木を眺めながら歩いていたはずなのに今日はじめて緑の大きな実が落ちているのに気づいた.


にしのかたまどよりみゆるやまなみのぬきいづるかげはいかなるやまか

西の方窓より見ゆる山並みの抜き出づる影はいかなる山か

学校の2階から山並みが見えるが抜き出て見える山は何だろうか。冬になるともっとはっきりと見えるにちがいない。

Saturday, September 11

くさむらの


くさむらのしげりみたればまどわくにこつねんとゐるおほかまきりは

草むらの茂り見たれば窓枠に忽然とゐる大カマキリは

自分が動いていると止まっている虫を見つけるのは難しい。止まって初めて虫たちの世界が見えてくる。私が虫だったらカマキリの餌食だった。


しよくかくをかぜになびかせかまきりはびどうだにせずくわしんをみたり

触覚を風になびかせカマキリは微動だにせず花芯を見たり

カマキリはまるで止まった器械のように動かない。花を訪れる獲物を狙って戦闘モードに入っているのだろう。

Monday, September 6

ふとみれば


ふとみればえきしやのまどよりほそきはのいでたりすすきはやみをつけて

ふと見れば駅舎の窓より細き葉の出でたり薄はや花つけて

いつも使っている駅のホーム。窓の外の草むらをみると大きなススキが花をつけていた。もう月見のシーズンか。