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Thursday, March 10

サクラ


この駅が生まるる前よりここに立つ桜よ仲間はみな伐られしか


駅のホームに立つ桜の古木。おそらくこの駅が作られる前から立っていた桜だろう。他にも桜の木があったにちがいない。この木が一番立派だから残されたのか、あるいはたまたま残しやすい場所に立っていたのか。いずれにしても、消えた桜の分まで花を咲かせてほしい。

Thursday, February 3

枯れたフキ


フキ枯れてコーヒー缶が散乱する同じ銘柄同じ人類

駅のホーム横の空地を独占していたフキが枯れ始めている。地面が見えてくると同じ銘柄の缶コーヒーの空き缶が散乱している。おそらく同一人物の仕業だろう。残念なサピエンス。

Sunday, November 28

えきまへの


えきまへのいちやうなみきのみきなぜかおほくはおなじむきにかたむく

駅前のイチョウ並木の幹なぜか多くは同じ向きに傾く

見慣れた駅前のイチョウ並木。ふと見ると多くの幹が同じ方向に傾いているのに気づいた。日当たり?風向き?あるいはイチョウの勝手?


かくさたとへきよこうであるとおもつてもからだはきよこうのゆめからさめず

格差たとへ虚構であると思つても身体は虚構の夢から醒めず

『格差という虚構』読了。いくら格差が虚構だと言われてもその「虚構の夢」から醒めるのは容易ではない。それはある種の悟りのようなもの。人が格差から本当に解放されるのは、死の時か。

Monday, November 15

いつもみる


いつもみるえきのかきのきかきすべてかききゆきもりのかきものこさず

いつも見る駅の柿の木柿すべてかき消ゆ木守の柿も残さず

駅舎の窓の前に一本の柿の木。葉は落ちても柿の実は残っていたのに今日見るとその柿がすべてない。せめてひとつは残してほしかった。

Sunday, November 14

えきまへの


えきまへのもみぢばふうはみなみきをぐるぐるしばられでんしよくとなる

駅前のモミジバフウはみな幹をぐるぐる縛られ電飾となる

クリスマスが近づいてくるといろんな場所が電飾だらけとなる。夜は悪くはないのだが、昼間見るとなんとも興ざめな感じだ。

Tuesday, November 9

どくだみや


どくだみやおしろいばなはかれはじめすすきもかれたらろぜつとでばん

ドクダミやオシロイバナは枯れ始めススキも枯れたらロゼット出番

いつも見ている駅舎の外の狭い空地。ススキだけがまだ花穂を元気につけているが、その下を見るとしっかりロゼットが見える。冬はロゼット?

Tuesday, November 2

がくせいが


がくせいがおほくすんでるえきちかくみせはあれどもしよくぶつはなく

学生が多く住んでる駅近く店はあれども植物はなく

学芸大あたり。学生が住みやすい町だが、駅前には樹木はもちろん雑草すらあまりない。奥に行くと人家の植栽がやっと目につく程度。

Tuesday, October 19

ちゆうしやぢやう


ちゆうしやぢやうあとのすきまにらんたなとえのころぐさがなかよくさけり

駐車場跡の隙間にランタナと狗尾草が仲よく咲けり

駅前の閉鎖された駐車場。舗装の隙間にランタナとエノコログサがかたまって花を咲かせている。ランタナは雑草化しやすい園芸植物だとか。


いちめんにひよどりじやうごのはなのさくくさやぶおくにあわだちさうみゆ

一面に鵯上戸の花の咲く草やぶ奥に泡立草見ゆ

空地の草やぶ一面にヒヨドリジョウゴの花が咲いている。まるでこの空地を制圧したかのように。セイタカアワダチソウは分が悪そうだ。

Monday, October 18

いつもみる


いつもみるあきちのみちくさねこそぎにぬかれてなぜかどくだみのこれり

いつも見る空地の道草根こそぎに抜かれて何故かどくだみ残れり

最寄りの駅舎の外にある狭い空地。今日見ると大勢力を誇っていたボタンクサギはもとより、それ以外の草もすっかり引き抜かれていた。小さいドクダミだけが「大殺戮」を逃れていたのは何故だろうか?


よるかへるみちにならびしだちゆらのはなこよひくびよりきられてゐたり

夜帰る道に並びしダチユラの花今宵首より伐られてゐたり

仕事から帰る夜道、ダチュラの重そうな大きな花がズラッと並んで咲いていたのだが、今夜見ると葉も花も伐られて茎だけが残っていた。冬備えか。

Thursday, October 7

やまちかき


やまちかきたかをのえきよりみはらせばいちやうのなみきはすゑきばみたり

山近き高尾の駅より見はらせばいちやうの並木は末黄ばみたり

高尾の駅のホームからの光景。山に近いだけあって寒暖差が大きいのか、イチョウ並木の梢がすでに黄葉している。


かはらにはすすきとせいたかあわだちさうなはばりあるがごとくにわかる

河原には薄と背高泡立草縄張りあるがごとくに分かる

かつて外来種のセイタカアワダチソウが在来種のススキを駆逐すると心配されたことがあったが、そうでもないらしい。

Tuesday, September 28

はいをくの


はいをくのべらんだにあるりゆうぜつらんおそひくるごとはをのばしをり

廃屋のベランダにある竜舌蘭襲ひ来るごと葉を延ばしをり

奥沢にある廃屋(たぶん)。壁も屋根もツタに覆われているが、2階のベランダのリュウゼツランが襲って来るエイリアンのように見える。


えきまえのくわだんにつゆくさうゑられてそこをすきまとたますだれさく

駅前の花壇に露草植ゑられてそこを隙間と玉すだれ咲く

『スキマ植物の世界』を読んだ。都会の植物はスキマを探してはそこで充足して暮らしているようだ。ポイントは引き抜かれないこと。

Monday, September 13

ほーむより


ほーむよりみやればはなさくたけにぐさはじめてえきのみなみをあるく

ホームより見やれば花咲く竹似草はじめて駅の南を歩く

いつも使う駅、使わない南口にたくさんのタケニグサが花をつけていた。見においでよと言われたような気がした。


きのふみしみじかきくきのひがんばなけふつきぬけてつぼみあらはす

昨日見し短き茎の彼岸花今日突き抜けてつぼみ現す

彼岸花の開花のスピードはこんなに早いのかと驚く。今日はつぼみだが、明日は満開の花が咲き揃いそうだ。

Monday, September 6

ふとみれば


ふとみればえきしやのまどよりほそきはのいでたりすすきはやみをつけて

ふと見れば駅舎の窓より細き葉の出でたり薄はや花つけて

いつも使っている駅のホーム。窓の外の草むらをみると大きなススキが花をつけていた。もう月見のシーズンか。