Tuesday, December 14

ふゆのあめに


ふゆのあめにぬれるはなばななぜきみがこんなところにゐるのかかんな

冬の雨に濡れる花々なぜ君がこんなところにゐるのかカンナ

今日は本格的な冬の雨。サザンカやスイセンなど冬の花も濡れて寒さに耐えている。ところがある家の玄関に一本のカンナがぽつんと立って花を咲かせている。他のカンナはすでに冬支度に入ったはずなのに。

Monday, December 13

へいかとは


へいかとはひさしくおあひしませんがごきげんうるはしうくわうていだりあ

陛下とは久しくお会ひしませんがご機嫌うるはしう皇帝ダリア

近所で紫色の花を高いところにつけている植物を見つけた。皇帝ダリアだ。私にとって彼の所在地は藤沢の長久保公園。サイクリングでよく行ったのは何年前だろうか。


かざりかとみあげるあかいみすずなりのいいぎりのあるくわいぐわけうしつ

飾りかと見上げる赤い実鈴なりのイイギリのある絵画教室

烏山あたりを歩いていたら赤い実が鈴なりになっている建物があった。近づいてみると絵画教室らしい。こんなにみごとな実を見たのは初めてだった。きっと絵にも描かれるのだろう。

Sunday, December 12

さるすべり


さるすべりはだかのえだのしゆしたちはかぜまちとりまちふたまたかける

サルスベリ裸の枝の種子たちは風待ち鳥待ち二股かける

サルスベリの街路樹。すっかり葉を落とし種子がたくさん残っている木もあれば、ほとんど残っていない木もある。種子の翼を使って風に乗って飛ぶか、鳥に食われるのを待つか、それぞれの木の戦略があるのかな。


まどのそとまろにえのはなさいてちりしげりのはもおちあんねはのぞむ

窓の外マロニエの花咲いて散り繁りの葉も落ちアンネは望む

『アンネの木』という絵本を読んだ。アンネ・フランクが1942年7月から1944年8月まで暮らしたアムステルダムの隠れ家の裏庭には一本の木があった。アンネは窓からその木を毎日のように見ていたという。その木が何の木なのか知りたくてこの本を読んだのだが、マロニエ(セイヨウトチノキ)だった。その木は老朽化して倒れてしまいすでにそこにはない。しかし、その苗木は世界の各地に移植されていて日本にも来ているそうだ。四季ごとに変化するマロニエを見ながら、アンネはいつか外界に出られる日を夢見たにちがいない。マロニエとよく似たトチノキを見ながら、いつか「日記」を読み直してみたい。

Saturday, December 11

みあげると


みあげるといろはもみぢのははおちてしづえのよくくわはしゆつげきをまつ

見上げるとイロハモミジの葉は落ちて下枝の翼果は出撃を待つ

近所のイロハモミジ。葉はほぼ落ちていたが翼果が下の枝にはまだたくさん残っている。飛び立つための風を待っているのだろう。

Friday, December 10

がいとうの


がいとうのもとのすきまはざつさうのしまとしつてかすいせんしめる

街灯の元のスキマは雑草のシマと知つてかスイセン占める

街灯の元はいろいろな雑草がスキマを占めている。ところが、そこをスイセンの茎たちが占拠していた。だれかが球根を植えたのだろうか。


たうひんをかはになげこむせうねんもやがておとなのあくいにそまる

盗品を川に投げ込む少年もやがて大人の悪意に染まる

『雲をつかむ話』を読む。読み終えた後、頭がムズムズする感じ。興味深いキャラクターの中で一番印象に残ったのは、大人の傷つきそうなことを瞬時に見抜いて口にする少年だ。上品な顔立ちをしているくせに大人たちに平気で下品な口をきく少年。どんなことを言ってるかを知りたい人は本を読んでほしいが、ある種の畏敬の念を抱くのは私だけ?この少年の話をもっと読みたかった。他人の郵便受けから物を盗んではエルベ川に投げ込む少年(と父親)も気になった。それ以外の登場人物たちも見果てぬ夢のように気になる話だった。

Thursday, December 9

こうえふの


こうえふのいけがきつきぬけはなをだすひめじよおんまだまだかれませんよと

紅葉の生垣突き抜け花を出すヒメジョオンまだまだ枯れませんよと

ドウダンツツジの生垣。その中を突き抜けてヒメジョオンの花が咲いている。生垣の中が暖かいのだろうか。たぶん生垣の葉が落ちるまでの元気。


いけがきのはにとまつてるるりしじみるりいろみたいがとぶけはいなく

生垣の葉に止まつてるルリシジミ瑠璃色見たいが飛ぶ気配なく

生垣の葉の先に小さなシジミチョウ。たぶんルリシジミ。羽を広げるとその瑠璃色が見られるのだが、一向に動く気配がない。凍蝶か。

Wednesday, December 8

けさのんだ


けさのんだびたみんえーのせいなのかいちやうのくわうえふやけにまぶしい

今朝飲んだビタミンAのせいなのかイチョウの黄葉やけに眩しい

サプリメントの効果というのはなかなか実感できないのだが、私の場合ビタミンAは別格で、飲むと色が鮮やかに見えるようになるようだ。


あめにちるいちやうのらくえふふぜいありなどといふひとさうぢしたら

雨に散るイチョウの落葉風情ありなどと言ふ人掃除したら

落葉があるところには掃除人あり。掃いても掃いても落ちてくる落葉は面倒なもの。とりわけ雨後のイチョウの葉は路面にこびりついて大変らしい。