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Sunday, April 23
ナンジャモンジャの花
青山の練兵場も夢の跡ナンジャモンジャの木だけが残る
ナンジャモンジャとは、何でふものぢや(何というものだ)が訛ってできた名前だという。
青山練兵場のヒトツバタゴの木を見て、誰かが言った言葉がこの木の名前となったという説がある。
明治神宮外苑(青山練兵場の跡地)にあるナンジャモンジャの親木はもともと六道の辻にあったものを植え替えたそうだ。
六道の辻あたりの町並みはほぼ消滅しているので、土地の「生き証人」と言えなくもない…。
Tuesday, July 5
クチナシ
クチナシの花咲く垣根に残る花のぞき込んだら蜂の巣作り
クチナシが満開だった垣根の花もほとんどが落ちてしまった。
残っている花をのぞき込んだら、蜂の巣づくり。何の蜂だろうか?
Saturday, April 2
ハナズオウ
秋冬と執念く残りし鞘消えて花蘇芳また咲き出でぬ
今年もハナズオウの花が咲き出している。季節がさらに進むと花は実をつけてそれが莢豆のように垂れ下がる。
その鞘が秋も冬もずっと垂れ下がっているのを見かけるのだが、いつの間にか消えて裸の枝から春先を彩る花が咲く。
一体いつの間にあの鈴なりの鞘は消えてしまったのだろうか。毎年そんなことを思いながらこの愛らしい花を愛でている。
Tuesday, February 15
イロハモミジ
いまだ飛ぶ機会を狙うか、一機だけイロハモミジの翼が残る
烏山の公園。すっかり葉を落として裸になったイロハモミジの木。枝先には冬芽も見えている。よく見るとひとつだけ翼果が残っているものがあった。まだ飛ぶチャンスを狙っているのか、あるいは何らかのトラブルか。本懐を遂げてほしいものだ。
Friday, February 4
白梅
荒れ庭に残されていた一本の木に白いもの白梅らしい
荒れ庭の前を自転車で通ったときに枯れ木に白いものがちらっと見えた。通り過ぎて、ああ白梅だったのだと気づいた。愛でる人のいない梅の花。
Sunday, January 16
まつしろに
まつしろになつてもにらのがくちらずわづかにのこるしゆしなほいだく
真つ白になつてもニラの萼散らずわづかに残る種子なほ抱く
用賀あたり。秋に白い花を咲かせていたニラも今は白骨のように真っ白。それでも萼にはまだいくつか黒い種子を残している。白と黒のコントラストが美しい。が、ニラにしてみたら、大切な種をできるだけ遠くに飛ばそうとチャンスを伺っているに違いない。Ha en bra chans!
Tuesday, December 21
かなあみに
かなあみにきのかたまりがのこつてるかれたさくらのせいれいみたいに
金網に木の塊が残つてる枯れた桜の精霊みたいに
二子玉川。金網に食い込んでいる木の塊。桜らしいが、おそらく枯れて本体は伐り倒されたのだろう。その太さと傾きから桜の樹形が偲ばれる。
しつぱいをのぞむからだがぐうぜんをよそほひこころをさいきどうする
失敗を望む躰が偶然を装ひ心を再起動する
いろいろな失敗。多くは偶然によって起きる。その偶然さえなければと悔しく思うが、その失敗がなければもっと酷いことが起こったかもしれない。失敗で元気になる人はいない。意気消沈は自分を取り戻す時間。
Monday, December 20
はだかぎの
はだかぎのかつらのおちばふとみればこうえふすすみてしんくとなりぬ
裸木のカツラの落葉ふと見れば紅葉進みて真紅になりぬ
烏山。広場のカツラの木もすっかり裸木になっている。足元を見ると真っ赤な落葉が何枚かある。カツラの葉だが落ちた後に緑から紅に変わったのだろうか。
えごのきのらくえふしだいにきにかはりえふみやくのみぞみどりのこれる
エゴノキの落葉次第に黃に変はり葉脈のみぞ緑残れる
エゴノキの葉も落葉が進んでいる。残っている葉は黄色だが、落ちている葉はまだ緑が残っている。おそらく緑のまま落葉して、クロロフィルを失って徐々に黄色に変わっていくのだろう。落葉の微妙な「もみじ」も味がある。
Monday, November 15
いつもみる
いつもみるえきのかきのきかきすべてかききゆきもりのかきものこさず
いつも見る駅の柿の木柿すべてかき消ゆ木守の柿も残さず
駅舎の窓の前に一本の柿の木。葉は落ちても柿の実は残っていたのに今日見るとその柿がすべてない。せめてひとつは残してほしかった。
Monday, October 18
いつもみる
いつもみるあきちのみちくさねこそぎにぬかれてなぜかどくだみのこれり
いつも見る空地の道草根こそぎに抜かれて何故かどくだみ残れり
最寄りの駅舎の外にある狭い空地。今日見ると大勢力を誇っていたボタンクサギはもとより、それ以外の草もすっかり引き抜かれていた。小さいドクダミだけが「大殺戮」を逃れていたのは何故だろうか?
よるかへるみちにならびしだちゆらのはなこよひくびよりきられてゐたり
夜帰る道に並びしダチユラの花今宵首より伐られてゐたり
仕事から帰る夜道、ダチュラの重そうな大きな花がズラッと並んで咲いていたのだが、今夜見ると葉も花も伐られて茎だけが残っていた。冬備えか。
Saturday, October 16
すずなりの
すずなりのすはうのくろきさやのみはみれんのごとくおちずにゐたり
鈴なりの蘇芳の黒きさやの実は未練のごとく落ちずにゐたり
春になると枝に蘇芳色のかわいい花をつけるハナズオウ。葉も落葉の時期を迎えようとしているのに実の方は落ちる気配もない。
いけがきのおしろいばなはかりとられかたやのこれるのぶだうのみは
生垣の白粉花は刈り取られかたや残れる野葡萄の実は
オシロイバナは雑草扱いらしい。刈り取られて生垣の上にその身をさらしている。色とりどりの実をつけているノブドウは残されているのに。
Sunday, October 10
ひとなつを
ひとなつをとぎれずさきたるさるすべりえやみのやみてはなさきはつる
ひと夏を途切れず咲きたる百日紅疫病の已みて花咲き果つる
やっと新型コロナからの出口が見えた今日この頃、まるでそれを見届けたかのようにサルスベリの花も終わろうとしている。
ながきくきさながらかれしあがぱんさすかへいはかばねのごとのこりたり
長き茎さながら枯れしアガパンサス花柄は屍のごと残りたり
砧公園に続く遊歩道。脇に植えられた植栽のアガパンサスの姿を見てもしばらく何の花か分からなかった。
Monday, September 27
しにづたの
しにづたのそのままかべにはりつきてかばねのごとくみをさらしをり
死に蔦のそのまま壁にはりつきて屍のごとく身を晒しをり
壁に這い上がるキヅタを根元から切ってしまった家の壁。ツタのからまる・・というわけにはいかないのだろうが。
こうゑんのけやきといちやうならびたちなかよくそらをわかちあひたり
公園の欅と銀杏並び立ち仲よく空を分かちあひたり
樹木もまた光を求めて競争している。末広がりのケヤキと円錐形のイチョウの樹形を考えて並べて植えたのだろうか。
Wednesday, September 8
あめあがり
あめあがりろめんにはゆるちりおちばおほかるものはさくらなるめり
雨上がり路面に映ゆる散り落葉多かるものは桜なるめり
だんだんと落葉の季節。散っている落葉の中で桜が一番多いが、散る順番があるのだろうか。
あぢさゐのはなにみえにしがくのへりにほのかにもとのいろのこりをり
紫陽花の花に見えにし萼のへりにほのかにもとの色残りをり
紫陽花の季節には人々の目をひきつけていた装飾花も今はすべてが緑色に溶け込んでいる。わずかに萼に残る色以外は。
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